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記録が続かない理由を3つに分けたら2日でシステムができた
毎晩の振り返りを140本以上ためて、そして開かなくなりました。続かなかった原因を3つに分けて、対策をそのまま設計図にしてAIに作らせた2日間の記録です。
毎晩の振り返りを音声で140本以上録ってObsidianに溜めて、そして開かなくなりました。「自分は続かないタイプだ」で終わらせる前に、なぜ止まったのかを書き出してみたら3つの原因が出てきて、どれも意志ではなく仕組みの側の問題でした。そこで対策をそのまま設計図にして、AIに作らせました。土曜の夜に相談を始めて、日曜の夜には本番で動いています。プログラミングの適性はなく、この2日間で一度もコマンドを打っていません。何を考えて何を作ったのかを、そのまま書きます。
140本の音声メモを一度も見返さなかった
去年から今年にかけて、毎晩の振り返りを音声で録っていました。今日やったこと・うまくいかなかったこと・明日の予定。それを文字起こししてObsidianというノートアプリに溜めて、案件ごとのファイルに振り分けていました。1年半で140本以上あります。
ある時期からぱたりと止まりました。
数ヶ月ぶりに開いたときの感想は「これ何のために作ったんだっけ」でした。溜まってはいるものの、一度も見返していません。分類する手間だけが毎晩発生して、そこから何も返ってきていませんでした。
ノートアプリ・日報・議事録フォルダ。最初の2週間だけ完璧で、気づけば開かなくなっているものは他にもあります。
「サボった」で終わらせずに原因を書き出した
普通ならここで「自分は続かないタイプだ」と結論を出します。実際そう思いかけました。
代わりに、なぜ止まったのかを書き出してみました。3つ出てきました。
1つめ。入力そのものが仕事になっていた。 録音して文字起こしして、アプリを開いて貼り付けて、どの案件かを選ぶ。1回3分でも毎晩やれば時間を取られます。しかもこの3分で案件は1ミリも進みません。見返りのない作業は続きません。
2つめ。1日の稼働の9割が記録の外にあった。 ここが本丸でした。僕の実務はほとんどClaudeとのチャットの中で進みます。記事の構成を考える・添削の指摘をまとめる・リサーチした内容を整理する・提案の切り口を決める。1日に10件近いやり取りが動きます。夜の音声に残せるのは、そのうち印象に残った1件か2件の感想だけでした。実際に手を動かした内容と、記録に残る内容がまったく別物になっていました。
3つめ。入れても画面が変わらなかった。 100件溜めても、10件のときと見た目が同じでした。増えたことが見えないものを、人は続けられません。
3つ書き出して分かったのは、続かなかった原因が根性ではなく仕組みの側にあったことです。
処方箋をそのまま設計図にした
原因が3つに分かれたなら、対策も3つ書けます。
- 入力はブラウザ上のクリックとドラッグだけで終わらせる。コマンド操作は一切しない
- チャットでの作業内容はAIに自動でまとめてもらう
- 溜めた分が画面上で増えていくのが見える形にする
これを設計原則にして、Claudeと壁打ちしながら設計を固め、実装はClaude Codeに任せました。着手したのは土曜の夜です。
日曜の夜には本番で動いていた
できたのは自分専用の記録ダッシュボードです。もともと毎日使っている自作の作業タイマーに、タブを1つ増やす形にしました。新しくアプリを立てるより、毎日開く場所に足すほうが続くと判断したためです。
日々やることは3つになりました。
録音した音声をドラッグして落とす。 あとはGeminiが文字起こしをして、話題の切れ目でセクションに分けて、案件ごとの箱に振り分けます。3分の音声で処理は20秒ほど、費用は2円ほどです。「今からA社の話をします」と最初に言っておくと、その通りに仕分けてくれます。
夜に一言送る。 「今日の分を記録して」と打つだけで、Claudeがその日のチャットを全部見返して、案件ごとに要約して日付をつけて保存します。口頭で説明し直す必要がありません。抜けていた9割はここで埋まりました。
朝に10秒だけ確認する。 AIの振り分けは10件中9件当たって、1件外します。だから翌朝、間違っていた分だけプルダウンで直せるようにしました。実際に初日は、家族と話した内容が仕事の箱に入っていました。ここを面倒な作りにすると、間違いが放置されて記録全体が信用できなくなり、また止まります。
過去のノートも全部移しました。1行1件に分解すると727件ありました。初日から中身の詰まった状態で始められます。
説明しなくてよくなったのが一番大きい
いま一番効いているのは画面のきれいさではありません。Claudeが僕の前提を全部知っている状態になったことです。
案件の画面を開くと、いまの状況が3行で書いてあります。何が決まっていて、何が止まっているか。AIが記録から要約したものです。
作業中に「この案件のこれまでの流れを踏まえて次の打ち手を出して」と頼むと、答えが返ってきます。毎週の打ち合わせで決めたことも、途中で変更した方針も、自分がぼやいた懸念まで込みです。「この案件はこういう経緯で」と説明する時間がなくなりました。
試しに記録全体から自分を分析させたところ、「作った」「決めた」の記録は膨大なのに「受注した」「値上げした」の記録が少ない、と指摘されました。感覚では分かっていたことでも、740件の記録を根拠に言われると効きます。
こういう人ほど効くはずです
自分用に作ったものですが、使ううちに「これは僕だけの問題じゃないな」と思うようになりました。
まずAIを毎日使っている人です。ここが一番大きい。最近のAIには記憶機能があって、仕事の内容や進め方くらいは覚えてくれます。ただしあれは要約です。「この案件は先月こういう理由でこの方針に決めて、先週その一部を変えた」という粒度までは残りません。だから込み入った相談をするときほど、結局こちらが経緯を書き足すことになります。書き足すのが面倒で省略すれば、省略したぶん返ってくる答えも浅くなります。
ブレインは要約ではなく一次データを持ちます。日付つきの記録がそのまま入っていて、AIは必要な箱だけを読みに行きます。毎回すべてを読ませるわけではないので、やり取りが重くなることもありません。普段の会話は記憶機能で軽く済ませて、詳しい経緯が必要なときだけ記録を掘る。この二段構えになります。
次に打ち合わせが週に何本もある人。士業やコンサルの方はほぼ全員だと思います。「前回この件どうなりましたっけ」と相手に確認するのは、1回ごとにわずかに信用を削ります。打ち合わせの直前に3行の要約を開いて、決まったことと止まっていることが分かる。それだけで会話の入り方が変わります。
そして案件を並行して回している人。4つも5つも同時に動かしていると、どこで何を言ったかが混ざります。混ざったまま進めて後から食い違うより、日付つきで残っているほうが早いし安全です。
半年後の自分は、今日どうしてこの判断をしたのかを覚えていません。書いていなければ、同じ議論をもう一度することになります。記録は過去を振り返るためというより、未来の自分とAIの初速を上げるためにあると考えるようになりました。
続かないのは設計の問題だった
2日間で一番の収穫は、技術的なことではありませんでした。
続かない仕組みには必ず具体的な原因がある。 「意志が弱いから」で片付けている限り、次に導入するツールも同じ止まり方をします。原因を3つに分けられたから、対策も3つ書けました。
もう1つあります。僕はコマンド操作が苦手で、プログラミングの適性もないと自覚しています。それでもこの2日間、一度もコマンドを打っていません。やったのはブラウザでボタンを押すこと、コピーして貼ること、そしてAIの提案に「それは僕にとって面倒なやり方だから違う」と言い返すことだけでした。
途中でClaudeから「アプリを作らずフォルダで管理する方式が軽い」と提案されました。エンジニアには合理的でも、僕には続きません。そこを押し返して今の形になっています。自分の面倒くささを説明できるかどうかが、そのまま出来上がるものを決めます。
作業を任せる時代は終わりかけていて、自分の課題を正確に言葉にできる人がそのまま作れる時代になりました。要件を説明する力が実装力そのものになっています。
仕様書を公開しています
この仕組みは僕の事情に合わせて作ったものですが、設計は誰にでも応用できます。
- どんなテーブル構成にしたか
- 音声を仕分けるときAIに何と指示しているか
- 間違った分類をどう拾って直させるか
- AIと記録をつなぐ部分をどう作ったか
このあたりをまとめた仕様書を公開しました。コードではなく、設計とAIへの指示文のセットです。お使いのAIに読ませれば、自分の環境に合わせた形で組み立てられます。
→ github.com/shimizuwriting123-boop/personal-brain-spec
「事務所の情報がばらばらで、まとめたいが何から手をつければいいか分からない」ということでしたら、それが僕の仕事です。まず何が続かなかったのかを一緒に分解するところから始めます。
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